「ハイリハ東京」高次脳機能障害の実態

 (4)失認症

 視覚についての認知障害では、目は見えているのに、色、物の形、物の用途や名称が分からない、絵を見て全体のまとまりが分からない、よく知っている人の顔を見て誰なのか分からないという症状があります。この場合、手で触れてみたり、音を聞くなどすれば分かります。また、聴覚や触覚についても同じような症状が見られることがあります。

視覚失認
 視力や視野は保たれているのに、物を見てもそれが何であるかわからなくなる症状です。またその物の使い方もわかりません。「見れども見えず」という状態です。ただ、触ることができればわかります。

相貌失認
 よく知っている人物(家族、親類、知人など)の顔を見ても、誰であるかわからないといった症状です。怒ったりとか笑ったりとかの表情を見ても、それがどんな意味を持っているのかわからなくなります。

聴覚失認
 聴力が保たれているのに、語音の区別ができない、環境音の知覚・認知ができないという症状です。筆談が有効です。
 失語症とは少し異なります。

当事者達・家族達のコメント

電車から下りて、左右を間違え易い。

言葉では「右手が〜。」と言って、左手を出したりする事や、またその逆もよくある。

視覚性失認症の人は見ただけでは、ミカンとカキの区別がつかず、触ってみて初めて区別ができることがある。

(4)失認症─

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