縁JOY　ハイリハ東京２００３　三澤孝夫氏講演

ー　成年後見人制度について　ー

13:30	ミニセミナー「成年後見人制度について」講師：三澤孝夫氏（国立精神・神経センター武蔵病院　精神保健福祉士）

国立精神神経センターの三澤と申します。よろしくお願いします。この成年後見制度なんですけども、谷口さんのほうからお話いただきまして概要と利用法を説明して欲しいということで、成年後見法の初期の段階から少し関わってたもんですから。成年後見制度の概要と利用法は難しいんですが、皆さん、このレジュメのほうを見てください。ここに、ズラズラっと書いてありますね。新制度の条件とか成年後見制度の概要とかですね、これを全部説明することが今回ちょっと出来ません。で、出来るだけ資料をたくさんのせました。利用できそうな資料に合わせながら、やっていきますが、出来るだけ概略と利用法を説明していきます。基本的に成年後見法というのを、どのくらい知ってらっしゃいますかね。新しくこの制度になったのは、皆さん、知ってらっしゃいますか。前に禁治産者、準禁治産者とか言われてた制度が、これなんですね。昔の制度が平成１２年に変わったんですけれども、それまでは非常に使いにくい制度でした。で、実際に私は１８年ぐらい病院のソーシャルワーカーの仕事をしているんですがその中で、禁治産者、準禁治産者で関わったのは、２件ぐらいしかないですね。ちゃんとした統計がないらしいんですが、実際に、平成１２年当時で、受けられてそのまま生存されている方というのは、２万人を切ってたんじゃないかっていう話です。といって、どれくらいかっていうと、日本の中で一万人から二万人に一人くらいしかいない。医療関係者だと分かると思いますけど、難病に指定されちゃいそうですね。滅多にいないということですね。一つは、戸籍に登録されたりした。あとですね、禁治産者だと、それ以外にも、選挙権がなくなるとか色々とあって、ある程度自分のやっていることが分からなくならないと認定されなかったんですね。準禁治産者っていうものに関しては認定できたんですが、現在、逆にそれは出来なくなってるんです。障害がないのに、認定をすることは出来なくなりましたけども、非常に難しい制度でした。で、あと、禁治産者の為にですね、精神科のほうでもし、認定したりする場合に、医師のほうは、ものすごくなんですか、鑑定書を書きました。で、実際に五十万くらいかかってたんじゃないかと思いますけど、よく、一か月くらいかけて、禁治産者の鑑定書を書いてみたりな感じのこともありました。こんな電話帳みたいな、様式もこう、わりとちゃんとしっかりしたのも、なかったようですし、それが、相当使いやすい制度として出てきました。成年後見法になってからですね、私が関わっただけで、ここ三年ぐらいの間に、１６、７件は、いってます。もう少しいってるかな。だから、急速に普及してきている制度です。で、一つ使いやすくなったのは、ここの資料にありますけれども、補助・補佐・後見、って言って、補助というのが新設されました。これ、補佐と後見っていうのは、昔の、これでいくと、準禁治産者、禁治産者なんですけれども、そのほかに、補助というのが入ってきまして、より軽い障害のかたでも、使えるようになってます。で、実際にこの、補助と補佐と後見も、それぞれ少しずつダブるんです。この症状だったら、必ず補佐だとかね、この症状だと、補助にはなれない、後見にはなれないだとかいうことは、少しずつダブって、やっぱり後見になるほど、あのう、障害的には重くなる事は確かなんですけれども。あと、よく聞かれるのはですね、これを取り消され、取り消しすることはできるのかということですね。高次脳の方なんかで、障害の度合いが、だんだんと良くなってきている。最初は使う必要があったけど、今は出来ない、今は、逆に、かえってそういうことで、認定されたくないと。いうような場合に、それを取り消すことは可能です。だから、最初のうち、補助でですね、認定を受けられて、で、そのうちに、それが必要なくなれば、それを取り消すことはできます。だから、そういう形でも、使いやすくなっていると思います。で、ここにですね、一応、出てますけど、申し立てに必要な物は、このぐらいのものです。で、精神科のほうでですね、鑑定書を書きますけれども、あるいは、診断書。補助、補助だと、診断書なんですよ。で、補佐と後見だと、鑑定書なんですけど、こちらの病院のほうにも、回ってきてますけれども、非常にこう、書きやすい形になっています。この中で障害年金の申請をですね、した方いらっしゃるかも知れないんですけれども、障害認定の精神のほうで診断書書きますと、その診断書と補助は、だいたい同じくらいですね。一ページぐらいの診断書で足ります。で、補佐、後見にしても、それほど様式決まってますから、そこに書いていくってことで、それほど、何ですかね、何回も、診断行かなきゃなんないってこともないですし、費用に関してもですね、ちょっと、ここに、その下に少し書いてありますけど、５万、１０万、１５万とかね、なんかここらへんちょこっと書いてあるんですけど、これ、最初の項のやつなんですが、病院によって色々なんですけど、これは、聞いてください、病院のほうにですね。公立、国公立の病院なんかだと、ほんとに、あんまりお金かからず、５万円以内くらいで、やってくれるはずです。で、そうですね。で、補助、補佐、後見になると、どんなことがいいかというとですね、このほかに、任意法権というのがあるんですけれども、補助、補佐、後見という形をとると、代理権のほかにですね、取り消し権とかですね、それと同意権ですか、そういったものが付きます。それは何なんだ、いったい、という話、例えばですね、なんかの契約を、誰かの代わりに出来るっていうのが、代理権ですね。この契約を、ご本人の代わりにしたっていうのが、代理権なんですけど、で、ご本人が、例えば、マンション買っちゃったとか、車買っちゃったとかですね、もっと、布団買っちゃったでもいいかな、で、ものすごい高額な物、買ったと。で、どうしましょう。そういう時に、それに同意したり、取り消したりできるってことですよ。だから、ご本人が、ちょっと判断能力が落ちてて、買ってしまったんだけど、それをどうするか。一般に、良く言われているのが、クーリングオフなんですよね。で、クーリングオフじゃなくて、ここだと、この新しい後見制度で、後見人になった方、補佐人・補助人になった方が、その契約に同意すれば初めてこの契約が成立するわけですね。布団買いました。布団売りました。で、じゃ、その布団が四十万くらいしてて、それに、同意するって言ったとこで初めて、契約は成立するんで、同意したり、しないと、契約は成立しない。あるいは、取り消すことができると。その契約をですね。そういった権利が増えたんです。それが、後見制度、特に、法定後見を使う場合の一番大きな目的ですね。それで、資料の２番目のほうにですね、目的の申立てはこう、こういう形で、必要な物はこれだけあって申立てできます。割と簡単に出来ますから、これをやるためだけに、精神科にかかることも大丈夫ですから、やってるかということを、事前に病院に確かめていただいて、やってるっていうんだったら、その日に受診してもらえば、だいたいその日で終わっちゃいますね。で、その日に診断して、もう一回くらい来てもらうこともありますけれども、そのぐらいで、こういった鑑定に関して書けます。で、２番目は一応、申立てから、審理手続きですね。調査ですが、基本的には、本人の同意が必要だと思ってください。補佐、補助、補佐、後見の中で、後見だけは、補佐もですけど、補佐と後見、鑑定必要なほうは、基本的には、本人の同意がなくても出来るんですけど、だいたい、同意を取ることが前提になってるみたいです。で、補助に関しては完全に、同意を取らないと駄目ですけどね。で、これで、どうしても合理的な理由があって、ちょっと取りにくいっていう時に、補佐と後見であれば、本人の同意がなくてもできるよ、っていうことですけど、基本的に、家庭裁判所の調査官とかがですね、来た時に、本人の同意があるかどうかを確認したりしています。うちの病院で入院しているかたなんかの場合に、来ていただいたりしていますけれども、そういう時、必ず、同意を、一応確認しますね。で、そのほうがやりやすいということも、もちろん、ありますから。それで、えー、審判の手続きをして、審判して、それで、告知・通知されるっていう形になります。で、すいません、時間がないんで、どんどん進んでいっちゃうんですけれども、資料の３を見てください。資料の３がですね、成年後見制、登記制度の概要です。で、どうしてこれ、成年後見登記制度の概要って書いてあるかっていうと、ええっと、禁治産者、準禁治産者と違ってですね、この制度は、戸籍に載らないんですよ。ただ、じゃあ、どこにも載らないで、管理できるのかっていうと、そこは難しいところで、例えば、さっき言った取り消し権とかですね、同意権がある場合に、例えば、誰かと不動産の契約したりしますよね。で、そん時に、この人が成年後見制度を使っているかどうか、誰にも分からない。ということで、契約が世の中で成り立っていくか。で、突然ある日、この人は、何ですか、成年後見制度を使っているから、そうと思わないで、契約した、つまり、契約のですね、例えば、ほんとにその人とちゃんと契約できるかとか、分からなきゃ困るわけですよ。世の中の社会としてはですね。それをある程度、昔はね、だから、戸籍に載ってて、それで確かめることが出来たわけですけれども、それが出来ないわけですね。そうすると、法務省のほうに、東京法務局に、私がですね、関わった時には、東京法務局にっていう話で、実際、そこ確かめてないですけど、東京法務局のほうで、集中的に管理しているはずです。で、各法務局のほうには端末があって、そっから、ある程度、このかた、やってるか、やってないかっての判断できるんですけど、えー、何を言いたいかというと、今、ここでマンション買ったりしているような人は分かっているかも知れないですけれど、このごろ、買ったとかですね、この、なんですか、成年後見制度を受けていないっていう証明を、取ってくださいと言われるはずです。つまり、集中的に、東京法務局で、管理してまして、で、逆に、そういう契約をする時に、そういう書類を出してもらうようになってきてます。これはね、銀行なんかでも、このごろ、そういう形をとり始めている所も、多いです。なんらかの大きな商品の売買みたいなものが出てきた時に、それに対して、取っていないという証明を、で、これ、簡単に出してくれます、これ。だから、それを出してくださいと言われてます。だから、と、戸籍とは全然違う、昔は戸籍でそういうとこ確かめたりしてたんですけれども、戸籍では確かめないけど、それをこういった登記制度を新しく作って、で、その件に関しては、その契約を、健全な契約をこれであの履行していこうという配慮があるみたいですね。で、あとは、その、それ以外は、これはその、さっきの、、資料２とそんなに変わらないです。こういった登記制度があって、で、ま、ここに監督、補佐人とか、色々書いてあるんですけどね。で、あと、ま、全部説明できるか、難しいんですけども、普通ここに、監督人とか、・・前のページに戻ってもらおうかな、資料１に戻ってくれますか。資料１には出ているのかな。監督人はありますね。補佐、補助、補佐、後見の下に、本人て書いて、被補助人と書いてありますよね。で、その下に援助者って書いて、補助人て書いてあって、その下に監督人て書いてありますよね。通常は後見制度っていうのは、補助人が、被補助人がいて、で、その人を補助する、被補助人じゃなくて、補助人がいる。で、だいたい、ま、関係としては、例えば、お子さんが高次脳で、判断能力が落ちているって時に、お父さんお母さんが補助人になるとかいう場合をね、想定してもらっていいんですけれども、ただ場合によっては、４親等内の親族がなったりするんで、誰がなるかわか、ま、基本的に、この人になって欲しいというので、今、私、手続きやってて、だいたい、なってくれ、それに似た形になるみたいですけどね。一番近い人だとか、あるいは、ご兄弟で何人かいた場合に、このかたが一番いいんじゃないかとかいうような、意見も、入れたりすると、そっちになっていくという形なんですが。ただ、それほど近い、近い親族でなかったりして、ん、ちょっと心配な場合もありますよね。ま、そういった時に、補助、監督人っていうのも、これは家庭裁判所で、選任してくれます。で、こういう制度があるということですね。あと、新しい制度で出てきたのが、法人後見ですね。法人後見が今、ま、有名なのが、司法書士官のリーガルサポートとかですね、社会福祉会のパートナーとかですけれども、そういった法人に対して、後見制度を後見人になってもらうことができます。で、ま、ちょっと費用もかかるんですけれども、全くほかにいい人がいなかったりした場合、実際問題としてほとんどね、この制度は、家族が補助、補佐、後見人になります。一年ほ、二年ぐらい前の、資料なんかで、ここんとこの資料が私、よく分からないんですけども、９５％ぐらい、ご家族でしたね。一つは、その費用がかかるということもあって、なかなか、日本で、まだ根づいていかないってところもあるのかも知れないですけども。ただ、そういった方たちが、監督人になったりすることもあるみたいですね。その法人後見のかたがね。なって、なってもらうとかいう、で、リーガルサポートやそういった所なんかも、保険かけたりしてますから、もし、後見人にその、司法書士の人がなってたんだけど、なんらかの形で、あと、ご家族じゃなくて、どうしても、そういう司法書士の方になって欲しいってあったんだけど、何らかの形で事故が起こってしまった時なんかのための、法人としてやってた場合ですね。司法・・・リーガルサポートが移った場合には、あの、保証する制度なんかも、一所懸命ですね、整備してたみたいですから、そういったことでも、法人後見というのも、一つの選択肢だと思います。あと、複数後見てのも、出来るようになってきました。きましたから、この問題に関しては、この方にやってもらいたい、不動産の問題に関して、この方で、で、日常の金銭管理に関しては、この人に補助人になってもら、とか、補佐人になってもらいたいとか、いうことも出来ます。ん、そういった使い方も、あ、新しい制度では出来るようになりました。新しい制度ってもう、平成１２年から始まっているから、少し古くなってきたというかですね、なんですけど、この今の現行制度でやることができます。資料の４を出してください。どうでしょう。少し早いですかね。分かります？分かりにくかったら・・・、そちらから声を出すの難しいでしょうけど、あとで質問なんか受けますから、その時にお叱り等お聞きしたいと思いますが。資料４のほうはさっき、ちょっと言いましたけどね、成年後見関係事件における、・・これ、事件ていうんですね、これね、最高裁の事務官の方と話してて、で、どうしてこれ、事件ていうの？いや、基本的に、裁判所とか司法関係なんか、こういう言い方をするんだっていうふうに言いますけど、事件なんですね。成年後見関係事件における、申立人と本人との関係別割合。見ればわかりますけど、子供さんが圧倒的に多いのは、基本的にはこの制度が想定してたのが、高齢者の希望だからですね。高次の痴呆を持つというふうに、で、実際に、任意後見なんかみると、余計に仕組みがよく分かると思うんですけど、任意後見なんかは、今現在、何らかの形で、能力は落ちてないけど、将来、ね、歳をとってきて落ちた時に、誰かに後見人になってもらいたいから、その契約を、今のうちから結んでいく制度ですよね。こういうのが想定してるってのはつまり、高齢者を想定しています。で、私、最初にこの、あの、成年後見制度の時に、色々、制度が出来る初期の段階で、関わった時も、法務省の方なんかも、そういうふうに言ってましたね。元々、今後、何ですか、高齢化社会になって、判断が難しくなった方を対象にしている。ただ、それに関して、色々と、精神の障害とかね、あの、高次脳とか、色々な部類が出てきて、ま、最初は身体障害まで含む予定だったんですよ、これ。だけど、身体障害でもほら、耳が悪い方とか、うまくしゃべれない方とかいたりするでしょ。で、そういう方の、コミュニケーション能力の低い方に関しても、やっていこうとしたんですけど、ま、それは実際はね、後遺症団体のほうから、すごく反発があって出来なかったんですが。ええっと、そういった経緯がありますね。最初の頃、ええっと、高齢者に対して、サポートしていくにはどうしたらいいか。で、障害者に対して、って話が出てきて、それで、その中から身体障害のかたを抜いて、あとに、知的障害と精神障害が残って、それで、サポートしていくって形をとりました。で、だから、子供さんが圧倒的に多いんですけど、あと、兄弟とか配偶者とか書いてありますけども。その他のご家族も書いてあるんで、非常に、ご家族が多いということですね。後見人とか補佐人、補助人になればですね。で、下のほうに書いてあるのが、ちょっと見にくくなっちゃってますけれども、資産に関してです。資産に関するものが、圧倒的に多いということですね。第三の管理。このほかにね、身上監護とかいうのが、ちょっと見にくいですけど、１５％ぐらい出てきてますけど、これはね、施設に入ったり、そういった時に、その施設に入ることの、判断とかですね、そういった身上面あるいは監護面の、事に関しての、判断に見うる申し立てでやってるってのが、１５％ぐらいです。で、これも、相当、話題といいますかですね、色々、煮詰める段階で話があって、手術の同意はどうなるのか、とかね。輸血、あの頃ちょうど、輸血の話で、九州のほうで、宗教関係で子供さんを手術する時、輸血させなかったとか、いうことも問題になって、その同意をどうするのかとかですね、そういったのが、ちょうど、このころ、話し合われてました。で、実際、そういった手術の同意なんかは、今、できない、ということにはなってますね。一応。外科的侵襲、あ、手術のことなんですけれど、そういったものに関しては、ちょっと判断はできないんですけど、ま、手術に入るとか、手術を受けるとか、そういった判断に関して、代理的にやっていったりすることは、出来る。ま、でもこの制度で目指して、目指してるってか、目的、動機はですね、圧倒的にこう、財産管理が。資料の５と６なんですけども、ん?とこれは、全部話していくのはちょっと大変なんですが、関係の事例が色々と書いてあります。そうですね。例えば、補助の、事例の３なんかだと、これは、ちょっとうまく該当してる患者さんがいないですけれども、そうですね。資料の３。事例の１なんかだとですね、本人がアルツハイマー病のかたで、入院してると。で、奥さんが、パートで働いているっていうことで、これ、相続放棄で、ちょっと珍しい事例なんですけれど、本人は５年ほど前から物忘れがひどくなり、勤務先の直属の部下を見ても、誰か分からなくなるなど、次第に社会生活を送るってことが、出来なくなったと。日常生活において、家族の判別がつかなくなり、その症状が重くなる一方で、回復の見込みはなく、２年前から入院していると。で、ある日、本人の弟が、突然、事故死し、本人が弟の財産を相続することになったと。だけど、これはですね、弟には負債しか残っておらず、困った本人の妻が、相続放棄のために、後見開始の審判を申し立てる。これちょっと意味が分かりにくいんですが、弟さんが亡くなられて、ご家族としては、旦那さんしかいなかったんですね、きっと。で、相続しなきゃなんないんですよ。で、よく、相続すると、っていうと、なんかすごくいいなって思ったりするんですけど、今ね、自己破産なんかする人もいたりして、すごく負債だけ持ってるかたっているんですね。で、例えば、負債だけ相続する、弟さんが亡くなられて、その、例えば、遺産があったとしますよね。で、遺産だけ相続するんだけど、負債は相続しないなんてこと、できないんですよ。相続する以上は、全部いっぺんに相続しなきゃならないんですよね。で、プラスマイナス考えて、弟さんは、例えば、ほんとの小さな家があって、で、それが全部で資産価値的には一千万くらいしかないんだけど、でも、借金は五千万あるんだよ。ね。相続しちゃったら、四千万円の赤字じゃないですけど、かえって、負債を被る、でしょ。した場合に、だけどこれ、本人がそこらへん判断できなくなっちゃってて、相続しちゃったら、それだけ、奥さん達の生活もおかしくなっちゃう。か、家庭の生活自体、おかしくなっちゃうわけですよね。だから、それを断るために、ね、相続をしないということを、放棄をするために、奥さんのほうが、えっと、ご本人のだんなさんの代わりに、後見人になって、そして、相続を放棄したと。こういうこともあるわけですね。だからもと、もともと、想定してなかったでしょ、これって。別にこれで、成年後見を使おうと思ってなかったけど、突然そういう、降って湧いたような災難で、ただ、旦那さんがこう、うまく判断できなかったりしてて、それでやったという事例ですね。こういった時にも、逆に言うと、利用できる。こういうことがあったと、ですね。ま、あの同じような例で、じゃ、事例の２ですね。ええっと、本人は、ええっと、女性７３歳、中程度の痴呆状態で一人暮らし。で、申立人は本人の、長男で４６歳、会社員ですね。不動産の売却。ええっと、補佐人の申し立てですね。で、本人は一年前に夫を亡くしてから、一人暮らしをしていた。以前から、物忘れが見られたが、最近、症状が進み、買い物の際、一万円を出したか、五千円を出したか分からなくなることが、多くなり、えー、日常生活に支障をきたしていたため、長男家族と同居することになった。隣県に住む長男は、本人が住んでいた自宅が老朽化しているため、この際、自宅の土地、建物を売りたいと考えて、補佐開始の審判の申し立てをし、併せて、土地、建物を売却することについて、代理権の審判の申し立てをした。で、これはつまり、どういうことかっていうと、ま、ご本人はそういうことは、ちょっと分かりづらくなってきてるんだけど、で、本人の為に、建物を、これは、土地、建物を売って、で、ま、そうですね、その介護の費用なんかに充てようとしたんですかね。それとも、あるいはご自宅に引き取ろうと思ったのかも知れないですけども、で、こういう時に、代理してやるためには、ま、こういうのね、代理しないで、まあ、なあなあでやっちゃったりすることもできるでしょうけど、ま、そこらへん、家族との関係もあったりしたのかも知れないですけども、ちゃんとやるために、こういう話が出てきて、うっかり、不動産屋さんが、それで、悪徳な不動産屋さんやなんかが急に来ちゃって、ご長男のいない間に、突然、契約を結んでしまってとかね、いう場合も考えられたりするんで、法律的にはこういう手続き取っといたほうがいいわけですよ。じゃなければ、ご家族と、お母さんとこういう、ここ売りたいんですよ、って話して、で、自分がいない間に、いつの間にか、自分ていうか、そのご長男さんがいない間にね、話が進んでいっちゃって、それでそれが、相当変な契約だったりすることもあるわけですよ。で、こういった時にも、こういった制度を使っていける、っていうことですね。大体ですね、このあとも、こういった色々事例があるんですけども、これは見ていただくとしてですね。で、後はですね、あの、できるだけいい資料をたくさん付けたつもりですんで、これ読んだだけで私のようなものの説明がないほうが分かりやすいかも知れませんので、ここらへん読んで戴いて、また、わかんないことがあればですね、もうしばらく、私、こちらにいますので、声を掛けていただければと思います。ども、ご静聴ありがとうございました。

ー 成年後見人制度について ー

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