縁JOY　ハイリハ東京２００３　田中秀樹氏講演

ー　これから　自立して生きていくために！」　ー


11:00	講演：「これから　自立して生きていくために！」－中途障害（高次脳機能障害）を踏まえて－演者：社会福祉法人ゆめグループ福祉会理事　　田中秀樹氏

えっと、与えられた時間が３０分ということで、なるべく・・皆さん質問しながら進めたいなあと思っているんで、ご協力いただければ助かります。まず私の勤める社会福祉法人ゆめグループ福祉会の簡単な紹介から始めていきたいと思います。まず私たちは障害のあるな、なしに関わらず、地域で誰もが夢をもち、生き生きと生活することが出来るよう活動している団体です。現在、作業所が７か所、生活施設が５か所、それからあと、介護支援、地域交流支援センターというところで、支援費のほうでそのグル、仮託事業ということで、日常介護とか介護ヘルパーということで、あの、皆さんの地域の中で障害者、高齢者、また、必要とする人であれば、関わっていくということでやっています。これは障害者や家族が地域に根ざしながら、仕事、生活、遊びなどを通じて、社会参加して、豊かに生きていきたいという願いに少しでも応えようとしてきた結果です。利用者の方も、障害者手帳を持つ人はもちろん、生活するのに多くの困難を抱えながらも、障害者手帳をもらえない人たちにも、門を開いています。特に最近は、中途障害の人たちが、多く入所してくるようになってきました。で、中でも、高次脳機能障害の人が８名・・・そのうち、嬉しいことなんですけど、２名は・・・就職、と言う形で社会にまた、送り出すことができました。で、さらに、ちのほうは、どんな障害が重くても地域の中で生きていこうということで、脳性麻痺の、本当にこう、ストレッチャーによってですね、緊張の強い障害者の人とか、筋ジストロフィーということで、命が本当に短い人たちなんですけど、２４時間介護しながらですね、生活する場も作ってきました。そういうなかで、ゆめグループの特徴としてですね、なぜ、そういうことをやってきたかということを、ちょっと述べさせていただきます。その前に、これは障害の種別を乗り越えて、ということで言ってますけど、その障害の種別を乗り越えるということでですね、行政なんかは縦割り行政で、とてもなんかやりにくいよということで言われますけど、実は障害者の団体なんかは、みんなバラバラなんですよね。全国的にも、また、地域的にも、本当に連帯しあってね、みんなで障害者のこと考えていこうよと、いうところは、今まだ日本には備わっていないですね。備わっていないというかな・・・で、絶えずやはり、日常の日々に追われていくというのと、自分の周りしか見えない、ということでは、自分のこう、関係する障害のことしか、どうしても、あの、自分たちの中では、見えなくなってしまっている。そうなると、一番、地域の中でも弱い、弱くて、一番人数が少ないってことになると、本当にもっともっと弱いとこに押し込められていくということになるんでね。これをどうにか、こう、みなさんで、ほんとに弱い人たちが手をつなぎ合って、いけないだろうか。そうなったときに、口で言ったってね、やっぱり、済むものじゃないし、それを、やっぱ、実践の中で示していかなきゃいけないんじゃないだろうか、と言う形でね、僕らは障害の見方をちょっと変えてきました。で、ところで、ここで質問一つなんです。たとえば、今、目の見えない人にとって、テレビ電話が必要だと思う人、手を挙げてもらえます？・・・目が見えないんでね、テレビ電話っていうのは、少ないですよね。それから、じゃあの、耳が聞こえなくて、口、あの、言葉も出ない人にとって、携帯電話っていうのが必要だと思う人・・・あ、これは少し増えましたね。よかった。ほんとですね。とりあえず、僕らは障害で見ていくと、きっと、だめなんだろう、これは無理なんだろうというような、最初に浮かんでくるんですね、イメージが。だけど目の見えない人たちにとって、テレビ電話があるということになるとね、たとえば朝、起きた時に今日天気がいいからどんな服着ていこうかな。黄でいいかな、赤がいいかな、自分わかんないから、例えば、友達とか家族に電話してね、今日は、今日の天気に合わしてこんなの着たいんだけど、どう？似合う？ってことも言えるだろうし、例えば急に手紙が速達でも、電報でも来た時に、テレビ電話でね、先ほど言ったようにまた電話して、今、こんなのが来てるんだけど、なんて書いてある？ってことも言えるんですよね。そういう面でこう、目が見えないから無理だろうとか、そういう発想って、結構出るんですね。それからあと、ろうあ者の人、あの、耳が聞こえなくて口がね、利けない人っていうのも、この間あの、仙台とか色んな所で地震とかいろいろありましたよね。そういう時に、その人たち障害者にとって一番頼りになったのは携帯電話だったんです。実は、メールができるんですね。・・メールが。携帯電話っていうのは。それからあと、この前聞いたんですけど、今、自分のいる場所とか、それから例えば、写真に撮って送るとかね、今、ここにいるんだけど、どっちに行ったらいいってことも、目が見えなくてもね、色々聞けるとか、色んなこう、活用っていうのが広がってくるんですよね。で、そういう面で言ったらあの・・・一つの障害例でね、捉えていくっていう見方よりも、あの・・・。どんなことしたいんだけど、出来ない、どこどこに行きたいんだけど、行けない。そんなこう、バリアな所をね、皆さんで考えて、乗り越えられるようなことが出来るんであれば、障害ってのはある程度、軽減できるんじゃないか、そんなとこで、皆さんが力を合わせていったらいいんじゃないか、てことを考えてきました。で、ただ実際、僕らも施設の中でやっていくということになると、障害者自身の中でも、お互いが理解しあわなければいけないんですね。知的障害者の人と、例えば車椅子の重い人たち、跳びはねたり色々する人が、ぱーっと走ってきてね、ひょっとして踏みつけられるんじゃないかとか、いろんなこう、不安があるわけです。だけど、色々こう知り合っていくとですね、逆にその、跳びはねたりしてた人が、車椅子を押してやってくれるとか、え、こんな面もあったのとか、色々こう、お互いがこう、理解し合ってくる環境って、出来てくる。それからもう一つは、もっともっとこう、普段こう、大きなバリアだったのが親の見方ですよね。結構、露骨な意見でたんですよ。例えば、同じ傷害であっても、知的障害においてもね、軽い障害持ってる人と、重い障害持ってる人ってのは、養護学校を卒業するまでに逆転するっていうの、なぜか分かります？重い人ってのは、あまりこう、活動範囲って少ないものだから、学校に通っている時はね、反応もないし、ああ、困った、困ったと、親も悩んでる。軽い人の親ってのは、本当にこう、伸びる時は伸びてね、反応も返ってくるし、うちの子は何でも出来るようになったのよって言えるんだけど、学校卒業した後、重い人とは同じ、こう、自分のこう、目の見える所にいるんだけど、軽い子ってのは、まだまだこう、人間関係っていうのが色々こう、出来てないものだから、人に騙されたりね、極端なこと言ったら、うちにもあったんだけど、チョコレートパフェひとつでさ、ホテルに行ってみたり、いろんなことを、こう・・・目が離せなくなっちゃう、逆に。ねえ、男の子でも万引き、しょちゅうやってそれがね、こう・・・なんだろな、なおんない。ほんと、目が離せないんですね、そうなってくると、障害が重い、軽いっていうんじゃなくてね、同じ傷害抱えたんで、同じくこう、大変なんだねってとこで、共感するような皆さんがそこで一致できないと、力合わせられないというのが分かってきました。で、保護者会なんかでも、学習会やったり、たまには交流会やったりね、そのお互いのこう、障害、自分の子供のことを話すことでね、分かりあってきたということも、一つあります。例えば、筋ジストロフィー、うちに多くいるんですけど、その都度、親なんかはあの、夜、体位交換２時間おきにさせるんですね。そうすると、日中寝てないと出来ない、で、お父さんの協力があまりないものだからね、そう、お母さんがそのひずみを負う、全体の負うことになっちゃうんで、どうしても昼、仮眠しながら夜、起きてやってる。そういう話を今度、知的障害者の人とかに聞いてくと、それから他の障害者の人も、うちだけ大変だと思ってたんだけど、お宅は頭もいいし、ね、大変じゃないと思ったんだけど、そういうこともあったのね、とかね、お互いがお互いのこう、大変さっていうのを知ってくるっていうのでね、とても良かったと思います。そういうのが、この間の僕らの中での障害を乗り越えてね、お互いが理解し合ってきた。お宅も大変なのね、うちも、うちだけ大変だと思ってたというのが、乗り越えられた一つの事例だと思います。では、もう一個。うちらの作業所っていうのは、障害の種別を乗り越えたんで、そこを考えていくんだったら、今、身体障害者福祉法とか知的障害者福祉法、精神保健福祉法とか縦割りの中でのこう、制度になっててね、施設なんかも、みんなその名前で区切られてるもんだから、いったん、その施設に入ったら、他に移れない、自分としてはもっとこんなことやりたいんだけど、って思っても移れない、そこで僕ら７つの作業所をですね、いろんな特色のある作業所に作り替えていったんです。だから、はいり口は違うんだけど、いったんその、ゆめグループに入ったら、自分の意思決定で、自分で選んでね、その作業所が選べる、そこに相談すると、あのうたとえば、リサイクル工房ってとこで、やっているのは企業の応援でね、ＩＢＭの会社と、それからマイクロソフトから無料でソフトをいただいているんですよ。それを今度、障害者団体とか教育団体、そういう所で今度、無料でまた、生かしていく。で、その経費は、提供してくれた企業の人がみな出してくれる。ね、そこはもう、仕事１００％でやろう。ある所は、仕事半分にしながら、生きがいを半分にしましょう。料理を作ってみたり、先ほどもありましたけど、ね、それから創作教室で絵を描いてみたり、陶芸をやってみたり、それから、生きがいだけのグループと、いろいろこう、形で作っています。で、そこをただ、自分の状態に合わせてですね、じゃ、まず、自分を、仕事５０％と生きがい５０％からスタートしてみ、してみようじゃないか、で、それが徐々にだけど、こう、やるなかでね、じゃ、もうちょっと頑張ってみようってとこでの、場所があるものだから、自分に合わせた形で選べるというのはね、今、国が支援費で選択できるからとてもいいよって言うんだけど、実際、支援費のほうでは、社会資源がないから選ぶっていうことができないっていいます。だけど、ほんとの意味で障害者自身が選べるっていうのね、やっぱ、実践で示していかなきゃいけないだろうと思って、今、やっています。で、僕らは、あともう一つは、統合した社会福祉法がね、できて、手帳も一本にまとまったらいいな、と思っています。今あの、知的とか身障と、精神の手帳を持つ人がね、あのう、なんだろな、恩恵っていうのが、すごく差がありますよね。そこがやはり、障害者手帳という形で一本に絞っていかないとね、同じ恩恵が受けられるようにしてもらえたら、助かるなあとは思っています。で、次に大事にしていることは、人生の途中でね、やっぱり家庭の中に閉じこもっていくというのは、なかなか、人として育っていく環境には、置かれていないわけです。僕らが大事にしているのは、社会に出て、社会的生産活動に携わるなかで、親以外の色んな人から、様々な声を掛けてもらったり、大変、それで嬉しくなったりですね、世話になったり、物を作ることなどを通じて、人間関係を作ること、ということが、身に付いていく。で、自分の持っている力を充実させていく。色んな人と人間関係を作っていくことが、そういうこと自体が、自分に対する信頼性や周りに対する信頼性を増やしていくわけです。こういうことがもう一歩、ステップアップに繋がっていくわけですが、だけど現実を考えてみると、あのう・・・多くの人は、人間関係作りってとてもね、あのう・・・不得意なんですね。そういう面ではこう、周りの人たちに対して、不信や、自分は何も出来ない、などとね、自分に対して不信が蓄積してるってのが、現実です。そういう中ではこう、つまづくっていうのは、私達みんなが直面することですけど、えっと、私なんかも９８％はつまづきながらね、生きてるんだと思います。失敗しながら。だけど、つまづいていても、そこから充実した、していくとか、周りの人たちと連携して、価値あるものを作っていく、そういうことで自分や相手に対する信頼を増していく、つまり、縦に対しての横の質的な広がりの可能性が出てくる、ってことを思っています。例えば、何々が出来ないっていうんじゃくてね、出来ないけど、縦にはできないかも知れないけど、その、横の中でもっともっと広がりが、んと、出来るんじゃないだろうか、というところで捉えています。で、そういう人間関係の中で、世話をされたりすると、今度は自分がその人の立場でやってみようと、先ほど、知的障害の人がね、何も出来ないことで、跳びはねたりしていた人が自分の役割が出てきたら、すごく生き生きして、それをやっていくというようなことがあったんで、今度は僕が頑張るってね、そういうやる気が出てくるってことですね。じゃ、どうやって、このやる気が、その障害者自身を変えていくのか、ってことで、もう一個質問なんですけど、重い障害を持ってる人に、働かなくても安定した生活できるようにするってこととですね、障害者でも、重い障害者でも、働けるようにするってのは、どちらが皆さん、大事だと思います？・・ああ、そうですね。ありがとうございます。まさに、そうなんです。確かに、生活のね、安定をやるってのはね、大切なことだと思うんですけど、それよりも、もっともっと働くことの喜びとか、作り出すことの充実感、自らの社会の一員として、役割を果たし、貢献していくってことでの、生きがいや自己実現の為の条件を整えていくことが、大切だと思っています。で、あのう、実はですね、この中でもう一回、質問があるんです。では働くことで障害をもつ人たちが、何がどう変わってきたのかを見ていくと、小さい時に身につけることが充分に身に付いていない未熟さや弱点を認識できていくってのが、ちょうど青年期の発達の中での特徴だと思います。そしてその未熟さを乗り越えようとする自分の、自分を自分で立ち直らせることを高めていくことが、大切になっていくんです。例えば、あのう、皆さんのお子さんがですね、非行をやって、悪いことを自覚してやった時と、悪いことを自覚しないでやった時・・・皆さん、どういう怒り方しますかねえ。両方とも、「おまえ、駄目じゃないの」みたいなことを、ねえ、「駄目じゃないか」ってことで怒ります？・・・そこにはこう、成人期に今まで経験の中で育ってきたものがあるってことでね、それに合わした形でやっぱり、対応していかなきゃいけいないって思うんで、僕らもこれ、大事にしてるんですね。例えば自覚してない時は、徹底的にね、「おまえのやったことは、社会に受けとめられないし、俺としては認める事は出来ないよ」って形で、ま毅然とした態度でね、わりいってことが分かんなかったことに対しては、ピシッと対応する。しかしですね、悪いことを分かっててやった人ってのは、ありますよね、よくね、自分はいけない、いけない、いけないんだけど、やっぱり、やっちゃった、たとえば、よくあの、まあいいや、まあ、そんな時には、いけないってことを自覚しているわけですから、いくら怒っても、やっぱ、駄目なんですね。おまえ、そんなことやっちゃ駄目だよっつったって、そんなのいけないって分かってるよ、ってことだから。そうすると、悪いってことを言ってるね、支えてね、やっぱ、もう一人の、その人の中にある、心に対してやっぱり、どう励ましていくか、ってのが問われるんです。ねえ、これが大事なんですねえ、青年期においては。では、自分で自分をどう立ち直らせるか、自分で乗り越える、または自分でコントロールする力を、どう形成してやったらいいのかってことで、私たち４つ考えているんです。一つは、あの、自分の未熟さとか、弱点をやっぱり分かる、それまた、同時に、そして、それを乗り越えていく力を、付けていく。まさに、自覚ですよね。で、この自覚も、一人でうちにいては自覚できないんですよ。集団になって、あ、あの人、あんなこと出来るんだ、ああ、俺もこういうの、やってみたいな、とか、集団があるからこそ、自分が分かってくる。自覚できるっていうんですね。車の運転の免許を持ってね、してたら、タクシーの運ちゃんでもやろうか、と思った人とその日暮らし、何も考えないで、刑期を終えて出た人とでね、おのずと違う、また、何も考えないで戻ってくるかも知れない。ただあの、これには、社会の中で、その人だけの問題でなくて、周りの人たちがその人をちゃんとやっぱ受け入れてくれるかどうかによって、違ってくるわけですけど、本人のね、心の持ちようだけにはいかないっていう側面もあるんですけど、しかし、それよりこう、見通しがあるとないとでは違うんだってことは、押さえておいてください。で、あのう、マカレンコって人は、あのう、近い見通し、中ぐらいの見通し、遠い見通しって形で、どんどん変わってくる、確かに発達まで変わってくるんですね。１３歳、１４歳ってのは、家族で旅行行こうかっていったらね、すごく喜び、「ああ、嬉しいな。いつ、ああ、何日待ったら行ける」って喜ぶんだけど、っぱ、１５、６歳になっちゃうと、ん、「ああ、もうすぐ、中間試験だ」とかね「期末試験だから」、２、３週先のことを考えながら、旅行あるのか、だけど自分、もっと先の期末試験のことが頭にあるとかね、そういう面で見通しっていうのどんどん、変わってくるわけです。その見通しがその、本人がどう・・・なんだろ、内的なことで見通しがどんなふうに、付いてるのかっていうの、僕たち探んなきゃいけないんですね。でなかったら、ほんとに違う見通しで、僕らが追っかけていかなきゃ、ねえ、本人てのはやっぱりその、中身を知っていく。で、ちょっと、脱線するかも知れないんですけども、遠い見通しを持てる人ってのは、人格的に高い人だって言われるんです、よく。で、近い見通しだけで生きてる人ってのは、幼いなあ、とかですね、捉え方されていくんですけど、ちょうどあの、ええっとですね、奈良の薬師寺ってありますね。で、薬師寺ってのは、千三百年前に出来た建物なんです。だけど、どんどん、焼けたりなんだりして、色々とまあ、無くなっていきました。で、あそこには、東の塔と西の塔ってのがあるんだけど、西の塔って四百五十年前に焼いて無くなっちゃったんですね。で、この間、あの、ええっと、西岡さんという棟梁達が、国の依頼でね、建て替えしたり、建て替えたり、も一回、建てたり、その時には図面も何もないなかでね、建てるってすごいなあと思うんですけどね、からもう一つは、千三百年前にヒノキってないんです、日本には。で、それ、台湾まで行って取ってきた、ねえ。ああ、すごいなあ。そういうこともあるんだけど、そん中でこれは色々と感動したんだけど、一つは仕事の面でもね、そのもの目的において、使えてね、成し得ることが仕事なんだ。で、人に、あれを、あれやって、これやってって、時間内でやっていることが労働なんだ。で、はっきり言って、自分たちの家の中にあるようにね、全然とらえどころの違いなんていう・・・それからもう一つは、あそこはあの、西の塔を今回つくったんですね、っつと、東の塔との高さの違いがね、およそ１メーター１３センチあるんですよ。なんでこんな違うか、そうすると、西岡さんはね、「あの、地震とか風とかから、木が乾燥して収縮したりして、二百年待ってみてください。二百年経った時は、東の塔と西の塔、同じくらいになってますよ。・・すごい見通しですよね。僕らなんか、明日のこと考えたり、ねえ、ほんとにこう、遠い見通しって考えるのは、とてもとても厳しいことあるんだけど、西岡さんてのは、そういう遠い先の見通しをやっていくってのは、案外、僕らにこう・・・伝えてるのかな、と、てのは障害人を抱えてるお父さんもお母さんもね、ああ、困った、困った、大変、どうすればいいのっていう、ほんとに目先のこと考えるんだけど、じゃ、その子供が将来、ほんとに、どういうふうに生きていくんだとかね、どうやって生きていったらいいんだろうかという、遠い先の見通しで考えていないんじゃないか、ま、そういうことのこう、見通しってのは、その人の方向性を定めるうえでは、大切じゃないかな、と思っているんです。で、三番目に自分がね、弱いところを発見して、で、じゃ俺、こういうふうにやってみようかな、っていう見通しが出来た、じゃそれだけじゃ、人間て、がんばれないんですよね。たとえば、朝早く起きてね、マラソンとかしようとかってね、三日坊主で終わっちゃう。そこには何が足りないかというと、持続する力とかね、その持続する力も、周りにやっぱ応援してくれる人がいるから頑張れる。そういう関係、やっぱ、作っていかなきゃいけないですね。で、ええっと、四番目には、で、最後に支える集団ですね。みんな、見向きもしなかったら、やる気がなくなっちゃうんですね。やはり、一時でも、少しでも頑張ったら、ああ、よくやったね、って評価する人がいたり、ねえ、やはり、どうしてる？って聞いてくれたり、自分に絶えず、自分のやったことに対して、皆さんがこう、気を掛けてね、くれるっていう集団があると、人間てのは頑張れるのかな、と思うんです。そういう面で、この四つをね、僕らはこう、実践の糧にしながら、日常をやっています。３０分ていうのは、あっという間に来ちゃうんですね。・・・ごめんなさい。で、あともう一つは、よく相談とか、色々されるんですけどね、その相談でもあの、僕らはひたすら聞く形で対応します。で、本人は一生懸命話してきてね、その中で、その話していくなかで、自分の中で整理してくれるんですね。あ、そうか、こうだったのか、とかね、で、自分でやっぱり、あのう、自分で決定していく。僕らは、こう・・・例えば、相談された人が、こうしなさい、ああしなさいよっつったって、本人がやっぱ納得しないと、先進めないんですよね。で、僕らひたすら聞く役割で、聞くなかで本人が、整理できた話をもって、あのう・・・自己決定していく。まさに、こう「じりつ」、あのう、りっしんべんの自律っていうのかな、そちらの方向で、自分が、あのう、自分で決めたことに対して、責任を負っていくってことで、やっていただきます。そこにはやはり、あのう、人間関係がベースになきゃいけないんですね。それからもう一つは、その人をやっぱり受けとめること。よく、「や、違うよ」とかね、「こうじゃないよ」とか最初に言う人、いますよね。いくら、間違ったことしたとしても、「そうか、そうか、お前の気持ち、よく分かるよ」「そうだよね」って形で、受けとめた時にね、相手の人、心開くんですよね。だからまず、いい、悪いじゃなくて、その人、何を言いたいのか、とか、どんな希求に持つ、で、聞いていくなかで、ポツポツって形でね、その人のやっぱ、方向をあの、少し少しだけど、あの、なんだろ、先ほど言った、自分の弱さとか、そういうの発見できるってことを、援助していく。だけど最終的に、その方向を決めるのは本人だ、ってことで、・・あの・・・そんなふうにやっています。すいません。時間来ちゃったんですけど・・・すいません。あんまりこう・・・高次脳機能障害の人たちのことをお話しなかったんですけど、あのう、僕は基本的には、同じだと思っているんです。人として付き合う、励ましていく。ただ、あのう、僕ら思っているのは、地域の中でネットワークを作るってことで、医療は医療、それから、福祉は福祉、保健は保健っていう形で、個々でやっぱり、立派にじり・・・んと、別々にいきたいんですよ。別々に行きながら、それをネットワークでつなぎ合う、・・・医療でリハビリ、医療のリハビリ、あるでしょ？僕らは生きがいのリハビリなんですよ。そこが連携していくってことが、一つのだから、その、障害もってる人にとって、いろんなとこで、いろんな分野で責任もちながらね、その分野でみていくってところがいいんじゃないかな。だから、地域のあらゆる人たち、だから福祉だけに関わらないで、街のたとえば青年、んっと、町会の青年団みたいな、どこでもいいですからね、そんな人たちが、色んな形で、関わっていくことが、で、色んな集団が、要するに何だな、質の違う集団とか、大きい集団、小さい集団、その中で、人が関わっていくことでね、大きく変わる要素ってのが、そういうところにあると思っているんです。じゃ、そういう面であの、確かに僕らの所にも、高次脳機能障害の人、います。だけど、ある面では、当たり前な生活しながら、ただ、あのう、その人の持っている障害においては、しっかり押さえなきゃいけないんですね。例えば、僕らんとこは最初、高次脳機能障害分かんなかったんです。だけど、なぜか、２、３日ね、作業所に来ない人がいたんです。なんでだろう、で、親に訊くと、「時々あるんですよ」だって、自分の行くとこ、分かんなくなってね、野宿とかしてたり。なんでだろう。それから、食事。昼、食事しても、ちょっとしたら、「あれ、俺、昼、食べたっけ？」ってのがあって、あれ、なんか違うんだな。そういうのがね、あって、そいで色々こう、調べていくなかで、リハビリテーションセンターの本田先生と出会ってね、色々こう、僕らも勉強、学ばさせていただきまして、そいで、仕事してても、ここに物があってもね、あの、見えないんですね。左側だけが見えて、右見えなかったり。で、うちらは、「ここにあるじゃない」って、分かんなかったんです。それがようやく、そういう形で色々こう、医療の面からも、色々情報いただくと、例え?でも、と、じゃ、そういうこと、職員だけ知っていくんじゃなくて、そこで一緒に働く、障害抱えた人たちが、一緒にそれを共有していく。そういう中で、あの、一人ひとりにこう人格があり、人としてね、認められながら、やられてきたということが、僕らがこう、やってきた実践だと思います。ほんとにこう・・・すいません。つたない話でしたけど、３０分過ぎたんで、終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。

ー これから 自立して生きていくために！」 ー

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